第07話  絶望の果てに




グラドサルでいくつかの事件を解決に導き、いよいよ一行は新たな町を目指して出発することにしました。次の目的地は、グラドサルから北東に130マイルほど進んだところにある、グリラックスという町です。グリラックスはウレク公国の首都。グラドサルの半分ほどの人口しかいませんが、それでも2万人を軽く超える大都市。まぁ、ぶっちゃけて言うとここがグラドサルから1番近かったから次の目的地に選ばれただけです。

また所要時間を読み違いそうになりましたが、今回は直前で気付いて修正したので大丈夫。薪も食料も多めに買い込み、馬車に積んで出発。一行がグラドサルを後にしたのは、お日様が天高く昇った頃でした。





道中は、彼女達らしいというか何というか…またもや殺伐とした旅路になりました。途中4日間の移動で出会った敵の数はなんと34匹。前回の寺院に立て籠もっていたならず者の2倍ぐらいの数の生物を屠りました。

詳しく話すと、出発から毎時間…出現率12%のダイスロールを行いました。出発から5日経った段階で90回近く振ったわけなんですが、相変わらず敵が出まくり。アンケグもコッカトリスもボロボロ出てくるし、そもそも34匹のうち半数近くはライオンです。どうして彼女達は4日でライオンを15頭も殺さなきゃいけないんでしょうか? あの戦闘風景は動物愛護団体が見たら卒倒してしまうぐらいにハードな内容だったと思います。さすがに百獣の王を名乗るだけあって、今の彼女達にライオンはとても手強い相手でしたが…こちらとしてもまだ志半ばで喰われてやるワケにはいきません。人間として全力で抵抗してやりました。

しかし、4日目の昼に行われたライオン戦でDMのダイス目が暴走します! レイムのカバーに入ろうとしたルインがライオンに全力で攻撃されて気絶…そのうえさらに狙われて殺されかけました。ですが、今度は他のみんながカバーしてくれたおかげで、何とか死なずにこの世に踏みとどまれました。一人はみんなのために…みんなは一人のために…これぞ、パーティプレイの醍醐味ですね。お互いの仲間意識をより強く確認し合うことができた1シーンでした。





厳しい旅路も、なんだかんだで残り50マイル。元気を出して移動しているとまたもやライオンとエンカウント。この平原の生態系が彼女達のせいで大きく変動しているんじゃないかと少し不安です。

難なく倒して移動を再開すると、間髪入れずに今度はコッカトリスが登場。乱戦の末に、ルインが敵の攻撃を受けてしまいました。難易度12の頑健セーヴに成功しないと石化してしまいます。こんなに町から離れたところで石化したら、パーティ全体の危機につながります。残りの行程を前衛の攻撃役抜きで乗り切らなければならないのですから。何がなんでも成功させなければいけません。

…といっても、彼女が頑健セーヴで12を出すのは、20面ダイスで3以上を出せばいいだけです。確立90%です。0%じゃないのがいささか不安ではありますが…しかし、ダイスロールの結果はなんと出目1…




んだらァァァァ!!(PL激怒)





こうして見事に石化。アタッカーも壁役もこなしていたルインの脱落は、パーティ全体に壊滅的な一撃となって襲い掛かってきます。しかし、そんな彼女達に救世主が!!












グレン登場ッ!!




彼も護衛を雇ってグリラックスを目指して旅をしていました。しかし、雇った護衛はみな、この平原に頻繁に出没するライオンを見て一目散に逃げ出し、はぐれてしまったのだとか…一人ぼっちになって半泣きだったグレンですが、一行と合流するやいきなり<はったり>判定。






グレン 「あなた達だけじゃこの平原を抜けるのは難しいでしょう。力を貸してあげますよ。」






なぁんて余裕の発言。(しかし心の中では「助かったァー!」と叫んでいたらしい…) とにかく、思いがけない助っ人の登場で全員がホッと胸を撫で下ろします。「これで無事にグリラックスに行ける…」 誰もがそう思った矢先に、第二の事件が起こりました。












次の戦闘でミューが死亡。
















( ´_ゝ`)




ウォーグの群れに囲まれて足払い&挟撃でバカスカ殴られ、気絶を経て死亡しました。PCはおろか、PLやDMすら目の前が真っ暗になったはずです。取り残され、絶望の淵に立たされたレイムグレン








安西先生…










諦めなくても試合は終了するんだよ?




その後、地獄の旅がスタートします。レイムグレンが、アルを盾にして呪文を連発。スコーチング・レイで安全に敵を始末したり、アニマル・トランスで敵を恍惚状態にしてやり過ごしたり…そんな感じで何とか一晩無事にしのぐと、8時間+強行軍で4時間追加の移動。何とか全滅を避け、グリラックスに到着することができました。

到着早々、石化解除と死者蘇生でほぼ文無しに…グレンがあまりお金を使わずに貯めておいてくれたおかげで、なんとか全員正常な状態に戻すことができました。





しばらくはこの町で、生活費&路銀を稼がなきゃいけません。グレンにも借りたお金を返す必要がありますし、何より、こんな目にあった翌日に再び野外に繰り出すほどのアイアンハートは彼女達にはありません。

外の世界の恐ろしさを噛みしめながら、一行は柔らかいベッドで泥のように眠るのでした。






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