GM:じゃあ、次はMERU君がクジを引いて。
MERU:わかりました。……えっと…『ハーメルンの笛吹き男』です。
GM:知ってる?
MERU:バイオリン弾きしか知りません。
全員笑
GM:あるところにハーメルンという街があった。その街の人々はネズミに困っていた。「誰か何とかしてくれ、何とかしてく
れたら金を払うぞ。」って話をしていたら、1人の笛を持った男が現れて、「私が何とかしてみましょう。」と言う。任
せてみたら、彼は笛を吹き始める。ネズミ達は笛の音を聞くと、何故か彼に従い、後について行き、そのまま崖から飛び
降りて全滅してしまう。笛吹き男が「約束の報酬をください。」と言うと、街の人達は急にお金が惜しくなり、「やっぱ
りイヤだ。」と言うんだ。笛吹き男は、「そうか…後でどうなっても知らないぞ。」と言い残して、笛を吹きながら去っ
ていった。すると、今度は街中の子供達が彼について行き、戻ってこなくなった。これでお終い。
MERU:どっちが悪いんだか…
GM:じゃあ、君の能力は笛吹き男だ。特殊能力は2つ。
KEN:おお、すごい!
GM:1つ目は「代用判定:魅了」。「音楽」の技能で、「魅了」の代用判定ができます。2つ目は「範囲攻撃:精神」だ。
これによって、君の声や音色が聞こえるキャラクター全員に精神攻撃が行える。
MERU:……2つ合わせて使っても?
GM:構いませんよ。
MERU:クックックックッ……
全員爆笑
古源:何笑ってんだ、そこ!?
MERU:いやぁ…なんとも楽しそうな役を演じさせてもらって…ねぇ?
GM:…少々不安だが、始めようか。
〜ハーメルンの笛吹き男〜
GM:あるところにハーメルンという街がありました。この街の人々は、ネズミによる被害に苦しんでいました。…さて、ネズ
ミ役…
HATTER:……ハイ。
全員笑
ネズミ:そこら中の食物や建築物をガリガリやってます。
GM:では、被害の度合いを表すために判定をしてください。「農業」か「隠密」か「いじめ」か「狩猟」かな?
ネズミ:「隠密」でいきます。22です。
GM:いっぱいいるはずのネズミが全然見つからず、被害は増えるばかり。そこで町長はお触れを出しました。「もしネズミを
何とかしてくれる人が現れたら、税金から礼金を支払おう。」…と。さて、笛吹き男はどうする?
笛吹き男:金額は?
GM:かなりの額です。
笛吹き男:では、町長の所に行きましょう。
GM:じゃあ、町長役をやりたい人。
古源:ハイ。
GM:そうか。町長ってキャラクターのデータがないんで、長者のデータで代用してくれ。特殊能力は「調達」です。
笛吹き男:じゃあ、いいですか? 『失礼する。』
町長:ん? 誰だ、アンタは?
笛吹き男:私は旅の笛吹き男。この街から人々の嘆きの声が聞こえたので、立ち寄らせてもらった。
町長:何だと?
笛吹き男:ネズミに悩まされているようだな…私の笛の音で、この街からネズミ共を追い出して見せよう。
町長:何!? そんなことができるのか!?
笛吹き男:フッ…音楽の力は偉大なのだよ…
町長:ちょっと待て、笛の音と言ったな。その笛を吹けば誰にでもできるのか?
笛吹き男:いや、不可能だ。私の神の息吹と、この魔笛の音色が合わさった時、初めて奇跡は起こる…
町長:……何!! 奇跡だと!? 他にその笛とお前の技術でできることはないのか!?
笛吹き男:……まぁ…早い話が集団催眠だ。
町長:何!? 素晴らしい!!
全員爆笑
町長:その業を私の下で活かしてみる気はないか!?
笛吹き男:まぁ…(親指と人差し指で輪を作って…)コレ次第だな…
全員爆笑
GM:この外道共が(爆笑)
笛吹き男:まぁ、アンタもこんな得体の知れない男の言うことは信用し難いだろう。手始めにネズミ共を消し去って見せよう。
町長:うむ、頼んだぞ!
笛吹き男:では、街の中央の噴水の近くで笛を吹きましょう。
GM:じゃあ、判定してくれ。
笛吹き男:特殊能力の「代用判定:魅了」と「範囲攻撃:精神」を使い、「音楽」。達成値は41です。
全員大爆笑
GM:ネズミがどうこうできるレベルじゃねぇ!!(爆笑)
ネズミ:ど、どうすれば…?
GM:「忍耐」で対抗してください。手強いですよ?
ネズミ:19です。
GM:差分値は22か…
ネズミ:ちなみに即死です(苦笑)
全員大爆笑
GM:では、ネズミはNPC化しました。あなたの指示に従います。
笛吹き男:よぉし…これから私が楽園に招待してやろう。ついてくるがいい…クックックッ…
ネズミ達:ちゅーちゅー!
GM:じゃあ君は、ネズミ達を崖まで先導する。
笛吹き男:おい、お前の好きなものは何だ?
ネズミ:チーズ。
笛吹き男:そうか、この崖の下にはチーズでできた国があるんだ。さぁ、順番に飛び込んで行くがいい。
GM:ネズミ達は喜びながら崖下の湖に落ちて死んでしまう。全滅しました。
笛吹き男:バカ共が…地獄にチーズなどあるものか! ハァッハッハッハッハッ!!
全員大爆笑
笛吹き男:では、町長のところに戻ります。『約束通り、この街にいるネズミはすべて追い払ったぞ。』
町長:素晴らしい!! どうだ!? さらに私と契約を結ぶ気はないか!?
笛吹き男:契約?
町長:君の力があれば、こんな街1つを救うなどというちっぽけなことではなく、もっと大きなこと…国を丸ごと手に入れられ
るぞ! そうすれば、君にも私にも大量の金が入ってくるぞ!
笛吹き男:……俺は男が嫌いなんだ……だが…だがアンタのような真っ直ぐな男には、むしろ好感が持てる…
全員大爆笑
GM:真っ直ぐって言うか、純粋に悪なだけだろうが!!
笛吹き男:いいだろう。だが、人間は言葉だけじゃ解り合えない…そう思うだろう?
町長:いやぁ、まったくその通りだ! これは街を一回りして、バカな町民共からかき集めてきた税金だ。報酬と手付金代わり
に受け取ってくれ!
全員大爆笑
笛吹き男:アンタとは…いい関係が結べそうだな。
HATTER:人間はここまで醜くなれるのか(笑)
笛吹き男:人間…? 違うな…私は神だ!!
全員大爆笑
町長:さぁて、では手始めに近隣の村々から征服していくとしよう。
笛吹き男:いやいや、あくまで同意の上でだ。征服などと人聞きの悪いことを…
GM:征服だろうが!!
全員爆笑
笛吹き男:まずは村を襲…懐柔していって、力を蓄えてから街へと手を伸ばそう。
町長:うむ、それがいい。では、出発しよう。
GM:え〜…現段階では妨害は入らないので、一応笛吹き男は判定を。
笛吹き男:「代用判定:魅了」と「範囲攻撃:精神」。「音楽」の達成値は…あ〜…出目悪ィ、33です。
全員爆笑
町長:人間じゃねぇ(爆笑)
笛吹き男:だから言ったろう…神だと!
GM:とりあえず村長が「忍耐」、達成値は18なんで、差分値が15点。代表者が倒れたので、この村は支配下に落ちた。
笛吹き男:それでは君達はいつも通りの生活を続けてくれ。…ただし、これから税金はこの私に支払うこと。これが変更点だ。
村人達:ははー!!
笛吹き男:う〜ん…人を支配するのは気持ちがいいなぁ、そう思わんか?
全員爆笑
町長:まったくだ! 見ていて清々しいくらいだよ、君の力は!
笛吹き男:では、協力に感謝するよ。せいぜいがんばってくれたまえ。我々のためになぁ!
笛吹き男&町長:ハァッハッハッハッハッ!!
GM:では、近隣の村々は制圧されてしまいました。
笛吹き男:次は街へと行こうか。
町長:ああ、待った! 君が暴徒に攻撃されることも考えられる。「調達」で村人達から何人か選んで、護衛に付けよう。
笛吹き男:君と組んでいてよかったよ。
町長:いえいえ、それは私のセリフですなぁ! ハッハッハッ!!
KEN:GM! 近くの町の町長をやりたいです!
GM:ムダだ。町なんていくら連なってもどうにもならん。
全員笑
GM:今後を考える上で確認させてくれ。古源君、君のキャラクターはMERU君の笛吹き男をどう思っている?
古源:……………。
MERU:……………………。
古源:………いや、邪悪なやつだなぁ…と。
全員爆笑
GM:そうだよね? もうハッキリ言って人間とは思えないよね?
全員大爆笑
GM:OK。その言葉が聞けるのなら、次の役は町長なんかじゃなくて国王か悪魔祓いだ。
全員爆笑
KEN:GM:じゃあ国王をやらせてください。
GM:OK、国王の能力を参照してくれ。「調達」を持っているぞ。
KEN:……………………よし、できました。
大臣:王様!! 大変でございます!!
国王:なんだ、どうした!?
大臣:我が国の税金が(似顔絵を見せて)このような男の下に大量に流れ込んでいます!!
国王:な…なんと邪悪な顔つきだ!!
全員爆笑
大臣:邪悪な笛から発せられる悪魔の音色で、人々を操っているとのことであります!!
国王:おのれ〜…この極悪人め!! 余の国を蝕みおって!! このようなものは即刻捕まえねばならん!!
GM:どうする?
国王:悪魔祓いを募集します。『この者を退治した者には、望む額の報酬を授けよう!!』
GM:じゃあ、君が命令を出すと、しばらくして1人の悪魔祓いが連れてこられる。
国王:頼む、国を救ってくれ!
悪魔祓い:…なるほど…事情はわかりました。
国王:なんだ、何を迷っておる!?
悪魔祓い:いえ、事情はわかったのですが……こんなやつ相手にどうしろと?
全員爆笑
国王:何か方法はないのか!? あ、そうだ! 罠にはめるというのはどうだ!?
町長:国王も邪悪だぞ(笑)
全員笑
悪魔祓い:では、こういう手はどうでしょうか?
国王:おお、何か思いついたのか!? 申してみせい!
悪魔祓い:……………。
国王:なんじゃ、早く言わぬか!
悪魔祓い:……このところ、我が教会も維持が苦しい状態でして…
国王:ええい! そなたの教会には事が収まり次第、多額の寄付を約束しよう!
悪魔祓い:ありがとうございます。それでは王様。王様のお力で、耳の聞こえない者達を集めて武装させてください。
国王:そうか、笛の音を聞きさえしなければよいのだな!?
悪魔祓い:さようでございます。
国王:ようし…耳を潰して……いや、そんなことはないな。え〜…
全員爆笑
GM:とうとう全員がドス黒くなった!!
国王:よぉし、直ちに兵を集めよ!!
GM:こうして集まった耳の聞こえない兵士達が、城門前に集結する。笛吹き男一行が城にやってくると、城門前に武装した兵
士達が並んでいる。
町長:何かおかしな動きはないか?
GM:なら、「作法」で対決しましょうか。
町長:うぬ〜…出目が…16だ。
GM:こちらは20です。多少不自然に見えるかもしれませんが、耳が聞こえないとまではわからなかった。
町長:マズイな…いったん引き返そう。
笛吹き男:何故だ? あの程度のクズ共、私の笛の音で操り人形にしてしまえばよいではないか?
町長:いや、もしかしたらその情報が漏洩している可能性がある。笛を使うのは危険でしょう。ここは引き返し、傭兵を雇って
ぶつけましょう。
GM:では、引き返すなら指揮官として「作法」で部下を先導してください。
HATTER:GM、城の兵士側の指揮官をやりたいです。
GM:…兵隊を作り忘れた…とりあえず武士の能力でお願いします。
指揮官:わかりました。
町長:いいかな? 「作法」は17でした。
GM:では指揮官、撤退させないように「作法」で対決を。
指揮官:OK、27です。
町長:くっ、しまった!
GM:では、普通と違う方法で戦闘を処理しましょう。「攻撃」も「防御」も「作法」で行ってください。
町長:く…負ける!
GM:先手はおそらく城側の方です。
指揮官:では、「作法」で25です。
町長:そりゃ無理だ…17です。
GM:じゃあ、HPを擬似HPにして、8減らしてください。
笛吹き男:次はこちらですか?
GM:そうですね。
町長:では…兵を放っといて自分達だけ逃げます。
全員爆笑
笛吹き男:笛が効かないのなら勝ち目がない!
町長:だろう!? ここは一時撤退だ!
笛吹き男:どんな策を用意したかと思えば、耳の聞こえない連中を集めてくるとは。
町長:国王もなかなかに邪悪だな!
全員爆笑
笛吹き男:傭兵を集めて叩き潰そう。
町長:いや、私に考えがある。
GM:さて…城側の人達は、一応彼らを退けたんで少し待っていてください。先に彼らの行動を処理します。
国王:わかった。
GM:じゃあ町長、何か考えがあるのなら言ってくれ。
町長:まず、今まで支配してきた町や村から多額の金をかき集め、教会にポンと寄付する。
教会の人:ほぉ、これはこれは。
町長:いやぁ、最近はいろいろな事件がありまして、教会の方々も大変でしょうから…これでは少ないかもしれませんが。
教会の人:これはこれは…どうもありがとうございます。
町長:ところで…最近の国王陛下は邪悪だと思いませんか?
教会の人:邪悪…? 何かなさいましたかな?
町長:耳が不自由な者を無理矢理兵士として働かせ、こき使っているらしいのですよ。
全員爆笑
町長:なんでも、最近では戦争だ何だと言って税金の値上げもしているとか…民はとても困っております。
教会の人:しかし…
笛吹き男:笛で操った村人達を連れてきて…『近隣の村々の住人達もこうして立ち上がっております。どうかよいご判断を…』
全員爆笑
国王:それはズルイよ!!
町長:我々はいつでも、教会のために力を尽くす所存であります! どうか! どうか一言!
教会の人:それでは、すぐに司教様に相談しましょう。少々お待ちを。
GM:しばらくすると戻ってきて…
教会の人:そのような大きなお話、私のような者ではとても判断できません。司教様をお呼びいたしましたので、直接話し合っ
てください。
町長:これはこれは、感謝します。
司教:話の筋はだいたい伺っております。それで…あなた方は最終的にはどうなさるおつもりで?
町長:とりあえず、現国王には退場してもらおうと考えております。邪悪な企みを実行し続けるばかりか、教会に対しても最近
は冷たいようではないですか。
司教:まぁ…聖職者として、そのようなことは申せませんが。
町長:それに、ここにいらっしゃるお方の奇跡の力をもってすれば、教会の力もさらに上がるはずです。
司教:ほぉ! 奇跡とな!?
笛吹き男:ええ…かの国王陛下には、そのような真似はできますまい…
司教:うむ、わかった。お主達には教会から、後に然るべき位階が授けられるであろう。
町長:素晴らしい! 感謝します!
笛吹き男:………勝った(悪笑)
全員大爆笑
国王:さて…こっちも反撃の準備を進めていいですかね?
GM:ん? どうぞ。
国王:まずは近隣の町や村を回らせて、どんな噂が流れているのかを知りたいです。
GM:例えば?
国王:税金が高くなったとか、生活が苦しいとか…
町長:それはない。税金は国に払う分を少なくして、そこからこちらに回してもらっているから、むしろ安くなっている。
国王:なにぃ!?
笛吹き男:こちらの悪評から付け入ろうとしたんですね…
町長:やはり邪悪だ(笑)
全員笑
大臣:国王様、不吉な噂を耳にしました!
国王:『おお、よくやった! 何じゃ!? すぐに申せ!!』
大臣:国王付きの聖職者達が、いつの間にか夜逃げをいたしました!
国王:なんだとぉ!?
全員大爆笑
GM:それから数日後、国王は異端者だというお触れが出ました。家臣達は皆、そっぽを向いて逃げて行きました。
町長:さぁ、投降か自滅か…好きな方を選べ。
国王:イギリスまで逃げようとします!
全員爆笑
GM:「運動」で判定をしてください。
国王:あ、運動はサイコロ振れないや。
GM:じゃあ基本値だけ。
国王:10です。
GM:え〜…逃亡を計った国王ですが、逃げることはできず、捕まって首をはねられてしまいました。
全員大爆笑
GM:そして…奇跡の力を持つと言われている聖職者とその側近が、直接教皇の領地として、近隣の町や村を治めることになり
ました。
笛吹き男:たまらねぇぜ!! ハッハッハッハッ!!
GM:…しかし、その土地を教皇の下に帰依させた偉大な2人の僧侶は…ある日葡萄酒を飲んだ途端に突然心臓発作を起こして
死んでしまいましたとさ…
笛吹き男:ありゃ?
全員大爆笑
GM:え〜…では、これにて『ハーメルンの笛吹き男』はおしまいです。
完
MERU:いやぁ、すごいお話でしたねぇ(笑)
古源:うん、まったくだ(笑)
GM:全部君達のせいだろうが!!(笑)
全員笑