12月7日(水)

メイド喫茶突撃インタビュー
 
2005年12月7日。そこそこ寒くなってきた新潟で、私はメイド喫茶なる場所へと潜入しました。『萌え』、『アキバ系』、『電車男』などの様々な言葉が流行語の候補としてメディアに採り上げられ、現在最も注目を浴びている町…秋葉原。その秋葉原を中心に爆発的に増加したのがメイド喫茶…メイド服姿のウェイトレスさんがお仕事をしている喫茶店です。そんなオタク達の安息の地…メイド喫茶が新潟にも存在するとのこと。その名も『funseed』

今回はサイト開設1周年記念ということで、私MERUが、身体を張って調査してきたメイド喫茶について報告させていただきます。ガタケットの潜入報告の時同様、お茶でも啜りながらぬる〜んと見ていただければ幸いでございます。




潜入当日、自宅にて
 
この日は水曜日。本来ならば学校に行くはずなんですが、あえてサボりました。平日の昼間ならお客さんが少ないだろうと睨んだからです。突入の日を客の少ない平日昼間にした理由は2つ。


1:お客さんが少なければ、メイドさんのお仕事も少なくなる。

つまり手が空くのでインタビューがしやすくなります。勇気を出して飛び込んだのに、忙しそうで何も聞けませんでしたとなってはお話になりません。


2:私の精神的負担が激減する。

学校サボってメイド喫茶に行って、万が一知り合いにエンカウントしたらその瞬間に私の人生は終わりです。そんな間違いは絶対にあってはなりません。
それともう1つ…お客さんが大勢いる中で、初めて訪れた客がいきなりアポなしインタビューを始める…私にはそれを実行する度胸はありません。多分空気に気圧されます。そしてコーヒー飲み干してお会計という最悪のパターンが待っています。


以上の理由から、決行の日を今日と決め、行動に移ることにしました。




髪を切ろう
 
とりあえず身支度を整えることにします。ガタケット潜入レポートの時にも着ていたダウンを着て行くことに。…また頼むぜ、相棒。

ヒゲを剃ろうと鏡の前に立ったら、自分の髪の毛が随分と伸びていたことに気付きます。「せめて見た目だけでも一般人に近づけないと、私のようななんちゃってはたちどころに食い物にされてしまう…」と思い、突入の直前に髪を切ることにしました。幸い私が通っているお店は古町にあり、今回突入する予定のメイド喫茶ともそう離れてはいません。

今はお昼前だから、すぐに出発すれば昼時には古町に着く。そしてすぐに髪を切れば昼過ぎには自由になれる。その後はどこかで時間を潰して、誰もいないような時間帯…14時頃にメイド喫茶に入れば、恐らくフリーでインタビューできるはず。そう考えました。

家を出てから店に電話。幸い今日は予約が入っていないので、12:30にはカットが開始できるとのこと。間に合うように家を出て、バスに乗って古町へ。



当日の日記にも書いた通り、バスを降りてすぐの交差点で母親とエンカウントしました。授業をサボっていること…これからメイド喫茶に行こうとしていること…後ろめたい事だらけです。ここまで自分の間の悪さにガッカリさせられた日は、後にも先にもこの日が1番なんじゃないでしょうか。今日ここにいるのは授業が休講になったからで、この後髪を切りに行くんだと告げ、何とかその場をやり過ごしました。




突入…か?
 
何とか強制イベントを乗り切り、美容室に到着。マスターに「今日はどんな感じにする?」って聞かれたんで、「短めに。気合入れてください!」とか意味不明な注文。「この後何かあるの?」と突っ込んだ質問が返ってきましたが、「うん、この後独りでメイド喫茶に行くんだ〜。アハハハ。」なんて恥ずかしくて言えませんでした。「ちょっと…アハハ…」って言った私の顔を訝しげに眺めていたマスターの顔が、鏡越しに見えました。…もう冬だなぁ…ちょっと寒いや…

カット終了時は13時半頃。私の予定よりも少し早いんで、別の喫茶店でコーヒーを頼んで時間を潰します。そしてちょうどいい時間になってから再び行動を開始しました。いよいよ突入と思うと、自然と足が震えてきました。気圧されるな…俺は俺の仕事をするんだ!! 気合を入れてメイド喫茶へと向かいました。気合入れた割に、知人とのエンカウントを恐れてモール内で10回以上振り返ったのは秘密です。




いざ…未開の地へ!!
 
実は5分ほど道に迷いました。が、しばらく歩くとそれっぽい店を発見。アニメイトとは全然違うんですが、オーラはまったく同じものだと私は感じました。階下はフィギュアなど、おもちゃ屋さんになっているらしく、案内に従いながら階段を上り、メイド喫茶の入り口に辿り着きました。ガラス張りのドアから覗き込んだ店内には、すでに1人のお客さんが…ガッデム!! でもまだ1人だ!! 今のうちに一気に押し込め!! 意を決して突入しました。

店内に踏み込むと、キッチンにいたメイドさんが普通に「いらっしゃいませ〜!」と挨拶してきてくれました。「お帰りなさいませ、ご主人様。」じゃなくてホッとしました。…いや、ホントだよ? イキナリは無理だもん。

店内は4人がけのテーブル席が3セットと、カウンター席が6席ぐらい。厨房は客席から見えるようになっていました。あと、等身大のちぃのフィギュアが部屋の隅っこに突っ立ってました。他にも雑誌や同人誌、ピンキーや、他様々なキーホルダーなどの小物もたくさんありました。よく見ると画材を売ってたりも…

しばらくするとメイドさんがメニューとおしぼりを持ってきてくれました。メニューには料理と飲み物以外は載っていませんでしたが、代わりに『萌えライス』、『小池さん』などを筆頭にパッと見よくわからんメニューが並んでいました。アイスコーヒーを頼んでタイミングを窺うことに。




ええい、いったれ!!
 
アイスコーヒーが手元に届くと同時に、常連とは思えない(失礼)ような強そうな方が1人で入ってきました。…このままいつまでもダラダラしていたら、客で溢れかえってインタビューどころじゃなくなるかもしれない…いくなら…いくなら今だろ!! 覚悟を決めてメイドさんに声をかけました。



「あの、すいません。今回、サイトの企画でメイド喫茶のレポートを書くことになったんですが、よろしかったらインタビューとかさせてもらえないでしょうか?」



勇気を出してそう告げると、「どうしよぉ…」みたいな表情でさっき入ってきた人をチラ見するメイドさん。……まさか…あの人って用心棒!?




















いや、俺怪しいモンじゃないから!!



本気でつまみ出されるかと思いました。…が、視線の先のその人こそ、『funseed』の店長さんだったようです。事情を説明すると、とてもニコニコしながらインタビューを許可してくれました。ええ人や〜。

店長さんは忙しいらしく、しばらくすると、「じゃ、後はご自由に。」と言い残して去って行きました。アポ無しとはいえど、店長さんの承諾を得ることができたので、さっさとインタビューに入ることにしました。最初からいらっしゃったお客さんも交えて、3人で対談紛いなインタビューが始まりました。







インタビューはこちら。





エクソダス
 
インタビュー終了後は、こちらのお店のウリでもあるまったり感を堪能しながら、他のお客さんとお話していました。みなさんとても気さくで、話しやすい方達でした。「オタクはコミュニケーション能力がない。」とか、どっかで誰かが言っていましたけど、ここの人達は全然そんなことない…むしろいい意味で普通の人達ばかりでした。知識は相当深いけど…

他所のお店の話になった時も、「あっち向いてホイで金取るなんて信じらんねぇ。ここのメイドさんなら、頼めばジャンケンなんていくらでもしてくれるぞ。」とか言っていました。そしてインタビューさせていただいた立場からモノを言わせてもらうなら、その通りだと思いました。



しばらくしてお腹が空いてきたので、『萌えライス』を注文。出てくるまでどんなものが出てくるのかビクビクしていましたけど、怯える必要はまるでありませんでした。まさか○○○○○○だったとは…

どのメニューも、普通の喫茶店と比べると若干高めの値段設定に感じるんですが、その分量が多い。ジンジャーエール1杯でお腹いっぱいになるぐらいでした。



結局3時間半ぐらい滞在したんでしょうか。バイトの時間が迫ってきたので帰ることに。お会計もお財布に優しく、店に入る直前まで「1万円コースだな…」とか腹くくってた自分がバカみたいに思えてきました。




最後に
 
とまぁ、こんな感じでした。ガタケの時同様、少しでもみなさんに雰囲気や実態が伝われば幸いです。「たいして辛い思いしてねぇじゃん。」みたいなキツいツッコミは今回はカンベンしてください。



なお、今回訪れたfunseedさんは、2006年の1月22日をもって閉店となるようです。このレポートで少しでも興味を持ってくれた方、突撃の計画を立てているのならお早めに。

最後に…今回取材に協力してくださったfunseedさん、本当にどうもありがとうございました!!



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