初仕事 〜地底深くに埋もれた寺院〜 中編




寺院の調査もついに4日目に突入。ここらで1つ結果を出したい一行ですが、その焦りが大きな悲劇を呼ぶことに。





先日アンケグと激戦を繰り広げたT字路を東に進み、再び現れたアンケグと戦闘に。今回はレオンがしっかり気付いてくれたので奇襲もありませんでした。うん、久しぶりのお手柄だ。

連携をとって撃破した後、1階を隈なく捜索しました。もう1階にモンスターはいないようなのですが…壁やら床やらがアンケグによって掘り返されており、正規のルートを進行することができません。そこで、アンケグが床に空けた大穴をロープで降りて、地下に移動することに。

「上見たらブッ殺すわよ!」、「わかってるっての!」みたいなお約束な会話も混ぜつつ、全員で地下へと降りました。降りた先は、廊下のド真ん中でした。さっそくレオンに<聞き耳>をしてもらうと、両側からガサガサとアンケグが壁を掘る音が聞こえてきました。

ボーっと掘り終わるのを待っていても、挟撃されるだけなので、ここは先にどちらか一方を迎撃しようという方向で話がまとまりました。直感で選んだ西側の通路をドンドン進み、発見した扉の捜索などを済ませてから開けました。






…しかし…

















…死神の鎌が無情にもレオンの魂を刈り取っていった…






扉の向こうに潜んでいたアンケグ×2から奇襲を受け、しかもその奇襲で発生した攻撃ロールがクリティカルヒット。治癒呪文を挟む間もなく、無慈悲なる一撃を受けてレオンは命を落としました。確かに結果を出したいとは思っていました。…けれど、まさか死者を出すハメになるとはこれっぽっちも思ってもいませんでした。

消耗した身体に、レオンの死…圧倒的に不利な状況ではあったけれど、この心なき化け物共を絶対に許すわけにはいきません。

気合でイニシアチブを制した一行は、レオンの仇を討つべく反撃を開始します。イリードがアンケグAの前まで飛び出してスコーチング・レイを投射し、アンケグ自慢の外皮をブチ抜くと、その間に激怒能力を発動させたディザーカが体を滑り込ませ、渾身の一撃を叩き込みます。どちらも大ダメージを与えることに成功し、一瞬でアンケグAを沈めます。生き残ったアンケグBからディザーカが反撃を受けてしまいますが、待機していたアリシュアが即座に治癒。次のラウンド、イリードは後列まで下がってマジック・ミサイルで援護、ディザーカは正面から敵と向かい合って攻防を一手に引き受け、アリシュアは治癒呪文によるサポートを繰り返します。結局、この陣形が崩されることはなく、PC達が勝利を収めました。

しかしまだ戦闘は終わりません。倒したアンケグ達の背後…部屋の壁に空いた大穴から別のアンケグCが姿を現しました。連続戦闘に突入しますが、一行の気迫に気圧されたのか出目の悪い敵方。そんなアンケグに怒りをぶつけるかのように、持てる力を出し切って全力で攻撃を繰り返す一行。その差は歴然、数ラウンド後に、ディザーカの剣によってアンケグは絶命しました。

4人で1日にアンケグ1体しか倒せない時もあったというのに…、今回は明らかに気持ちが実力を上回っていたように感じます。3人で一気に3体倒すことに成功。しかしレオンは…










アリシュア 「そんな…レオンさん…」


イリード 「いやぁっ! ウソよこんなの! レオン、しっかりしてぇっ!」


ディザーカ 「おいアリシュアッ!! 魔法でなんとかならないのか!?」


アリシュア 「えっ? …あっ、し、神殿に連れて行けば、司祭様が蘇生魔法をかけてくれるかもしれません!」


ディザーカ 「そうすれば助かるんだな!?」


アリシュア 「た、多分…」


ディザーカ 「わかった、急いで連れて行くぞ!」


アリシュア 「はいっ!」





一行は地上まで引き返し、トーチ・ポートのヒルガ大聖堂へと急ぎました。寄付金として金貨を5000枚ほど失うかたちになりましたが、それでレオンが助かるのなら安いもの。レイズ・デッドの呪文によって、見事レオンは生き返りました。





レオン 「……うっ……あれ…? …ここは…?」


ディザーカ 「レオォォォォォンッ!!


レオン 「どわっ!! でぃ、ディザーカ!? どうしたんだよ急に!?」


アリシュア 「お帰りなさい、レオンさん。」


レオン 「あ、アリシュアさん。……その…ただい…ま?」


ディザーカ 「よかったなぁっ! よかったなぁっ!」


イリード 「ちっともよくないわよ、このバカ!」


レオン 「いてぇ!! いきなり何するんだよ!?」


イリード 「うるっさいわね!! ドジ!! グズ!! 役立たず!! もっと慎重にやりなさいよ!!」


アリシュア 「い、イリードさん、落ち着いて!」


レオン 「何なんだよいったい…」


ディザーカ 「まぁまぁ、許してやってくれ。イリードはお前のこと心配してるだけなんだ。」


レオン 「…は?」


イリード 「しっ…してないわよ心配なんか!! あたしは迷惑してるだけよ!!」


アリシュア 「クスクス、その割には大声で泣いてましたよねぇ?」


イリード 「な、泣いてなんかいないってば!!」


レオン 「…な、何の話してんの?」


イリード 「な…なに見てんのよあんたっ!! か、勘違いしないでよね!? あたしは別にあんたのことなんかなんとも思ってないんだからっ!!」


アリシュア 「はいはい♪」


イリード 「なっ…ち、違うって言ってるでしょ!? ちょっと、人の話を聞きなさいよぉ!!」


レオン 「なぁ…ディザーカ…」


ディザーカ 「ん? どうした? もしかして、まだどこか痛むのか!?」


レオン 「いや…その…よくわかんないけど…とりあえずそろそろ離れてくれ…











※このお話はD&Dです。
(決してラブコメとかじゃありません。)







まぁ、こんなやり取りを挟みつつ、寺院調査の依頼は続きます。なんとか寺院内で手に入れた財宝を換金してレオンを蘇生させることに成功しました。しかし、これによってパーティ内の資産はほぼ空っぽ。次にまた同じように死者が出たとしたら…この調査依頼を成功させることはできなくなってしまうでしょう。

というわけで、慎重に進むことをパーティ内で再確認しながら、再び地下に降りて探索を再開。

この日は東側から探索していくことにしました。先日レオンが<聞き耳>をした時は、確かに東西から敵の物音が聞こえてきました。西の方は昨日倒しただろうということで、東側にいた敵を確実に仕留めておくという方針で話はまとまりました。

しかし今回も扉の中の<聞き耳>判定に失敗し、いるはずのアンケグに気付けずに奇襲を受けてしまいます。DMの出目が悪かったために命を奪われるようなことはなく、通常ラウンドに突入。





ここでミスが発生。スリープの呪文は4HDまでのモンスターを眠らせることができます。アンケグのHDは3のため、1発のスリープで2体同時に眠らせることは不可能なのですが…その辺の確認をDM、PL双方が怠ってしまったため、なんと1ラウンド目の頭で2体同時に就寝!





とどめの一撃ルールを適用してディザーカが1匹ずつ仕留めていこうとしたのですが…2匹目のアンケグが何故か頑健セーヴで出目20! 死の淵から生還してきます! 即座にディザーカが手痛い反撃を喰らってしまいましたが、最後は惨めなもの…レオンが投擲した「錬金術の火」というアイテムによって死んでいきました。

ここで一行は財宝を発見します。中には+2グレートアックスがあったり、高価な芸術品があったりで、みんなの鼻息がドンドン荒くなっていきます。





気を取り直して、今度は西側の捜索へ。

レオンが<捜索>しながら廊下を歩いていたら、ゼラチナス・キューブの中に取り込まれてしまいました。ここで…このパーティのトラブル・メイカーはディザーカイリードではなく、絶対にレオンだろうという確信が持てました。

とにかく戦闘開始。ディザーカが手に入れたばかりのグレートアックスを振り回して果敢に突貫していきますが…機会攻撃と合わせて2発当てた後に取り込まれてしまいました。ここでイリードの番が回ってきますが…マジック・ミサイルの火力じゃ、ゼラチナス・キューブよりも先に取り込まれた2人が死んでしまう…「俺達に構わず撃て!」という声が聞こえたような気がしたので、勢いに身を任せてスコーチング・レイを投射。命中はしましたが…ディザーカも巻き込んでしまい、状況はさらに混沌としてきます。

毎ターン、酸ダメージを受け続ける2人の意識はどんどん薄れていき、だんだんと危険な雰囲気が漂ってきます。急いで倒そうにも、ディザーカがいない現状では、毎ターン2〜5点程度のマジック・ミサイル(ワンド分)しか攻撃手段がありません。

その後、数ラウンドに渡って戦闘は続き、レオンのPLが、「1日に2回死ぬなんてありえない…」とボヤき始めたその瞬間、マジック・ミサイルによってゼラチナス・キューブは形状維持すらできない状態(つまり死亡)に追い込まれ、床に飛散しました。急いでアリシュアイリードが治療を施し、2人の命を寸前のところで救い出しました。





この日何度目になるかはわかりませんが、全員がレオンに「もっと注意深く行こう。」と念押しをしたところで、一行の消耗がピークに達したので、引き上げることに。





翌日、残す地下1階最後の部屋を探索すべく、一行は再び寺院へと向かいます。

最後の部屋は、広い広い大部屋。奥の祭壇には巨大な神像のようなものが奉られていました。<捜索>し終えた瞬間…その神像の爪がレオンを襲います。<捜索>判定で高い数値を出していたため、寸前のところで回避に成功しました。

こいつが今回のボス、ガーゴイルです。RPGでは結構有名なやつですが、D&Dのガーゴイルは魔法及び魔法武器以外のダメージを10点も減少するという超極悪な仕様になっています。

イニシアチブで優位に立った一行はイリードのスコーチング・レイ → ディザーカの激怒能力を使った一撃という流れで大ダメージを与えます。いくらダメージ減少能力を有していると言っても、ファイターであるディザーカの武器が魔法武器に変わった今、そこは大して問題にはなりません。全員で一丸となって戦い、なんと2ラウンドで撃破。ぶっちゃけアンケグやゼラチナス・キューブの方が手強かったです。





戦闘終了後は再び部屋の<捜索>。なんとガーゴイルのいた場所の下に階段が隠されていました。さらに階下があるようです。





そういえばこの寺院…未だに何の神を信仰していたのかさえわからないほどに、手がかりがまったく出てきていません。

堂々と信仰できないような邪悪な神を崇拝していた寺院なのか…それともこの奥に隠匿しなければならないような秘密が隠されているのか…いずれにせよ、もう一波乱ありそうな予感がプンプンします。

一行が引き受けた仕事は、どうやらこのまま終わるような楽なものではなさそうです。






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