初仕事 〜地底深くに埋もれた寺院〜 後編
6日目、一行はさらに地下へと降りていきました。地下2階は今までの階とは明らかに違い、きれいに加工された魔法の石材で造られていました。10フィート幅の通路をレオンが<捜索>をしながら進んで行くと、いきなり落とし穴が発動。少しだけ先行させていたので、被害者は彼だけでした。反応セーヴに失敗したレオンは<軽業>の判定を成功させて、落下ダメージを軽減します。しかしこのダメージでレオンのHPはなんと残りたったの4点。しかも、落下した穴の中には2体のゾンビが待ちかまえていました。…もはやカオス。
急がないと、レオンがまたデスってしまいます。慌ててアリシュアが退散判定を試みたところ、出目もよく、レベル差もあったのでそのまま2体とも破壊。即座にディザーカが穴の中にロープを投げ込み、無事にレオンを救助することに成功。落とし穴から脱出した後のレオンは、「アリシュア
さんの一喝を受けたゾンビが目の前で灰になっていく様はとても恐ろしかった…」と、供述していました。
穴の大きさはだいたい10フィート四方。向こう側はすぐ扉となっており、扉の前に立てるのはせいぜい2人まで。しょうがないのでディザーカが<跳躍>判定をして向こう側まで跳び、扉を開けて着地スペースを確保することに。
助走をつけて跳躍し、扉の前で<聞き耳>をしてみると…あやしい物音が聞こえてきました。部屋の中にいたのはアウルベアのスケルトンが2体。悔しいけれど、ディザーカ1人の手に負える相手ではありません。しかし後ろは落とし穴…仲間はそのまた向こう…まさに絶体絶命です。
そんな絶望的な状況の中、戦闘は始まりました。敵の攻撃に対して、両開きの扉のうちの1枚を遮蔽にして応戦するディザーカ。アリシュアは退散判定に成功し、2体のうち1体を退散させることに成功。これで負担はかなり軽くなりました。イリードはシーキング・レイやマジック・ミサイルを唱えて後方から敵にダメージを与えていきます。ディザーカが殴打系の武器を持っていなかったため、軽減されずにダメージを与えられるのはこれくらいのものです。そしてレオンは何もできない悲しい状態。
イリード 「ちょっとレオン、あんたがそこにいたら狙いがつけられないじゃないの! ジャマよ、どきなさいっ!」
レオン 「あ…はい…すいません…」
ディザーカ 「おおい、何とかしてくれ! このままじゃやられちまう!」
アリシュア 「私が向こう岸まで跳んでみます! レオンさん、助走をつけるのでそこを空けてください!」
レオン 「あ…ごめんなさい…すぐどきます…」
レオン…なんて不憫な子…
がんばれ、そのうちきっといいことあるさ。
さて、レオンのフォローはいいとして…実は上記の<跳躍>にアリシュアが失敗し、穴の中に落ちていってしまいました。正真正銘回復なしの状態で、戦闘を続けなければなりません。ディザーカは激怒も考えましたが、HPに余裕があるうちは遮蔽+防御専念でやりすごし、イリードの魔法でたたんだ方が安全かつ確実だろうということで、激怒せずに現状維持。
1体倒したらちょうどもう1体が正気に戻り、入れ替わりで襲い掛かってきました。「いざとなったら穴に飛び込め!」という過激なアイディアも出ましたが、コツコツとダメージを積み重ねていくことで、飛び込むことなく勝利を収めることができました。その後、全員で穴を越えて奥の間へ。
かなり大きなその部屋の中には、中央に鎌を持った死神の像、四隅には農民、商人、貴族、王の4つの像が置かれていました。レオンが死神の像を調べると…
「我が光に応え、四人の魂を差し出せ。さすれば汝は救われる。」
と書かれていました。どうやら死神の手にランタンを乗せると、死神の目から光が発せられ、その光をそれぞれの像の胸部に備え付けられた鏡に当てて反射させることで道が開けるようです。試してみると、なんと本当に部屋の奥のドアが開きました。しかし…入ってきた入り口の扉は硬く閉ざされることに…
NO−−−−−−!!
退路を断たれ、帰ることができなくなりました。さっきの戦いで魔法は結構消費してしまっています。一行は逆の手順を行ってみたりと様々な方法を試しましたが、入り口の扉が開くことはありませんでした。しょうがないので、他に出口があるのではという薄い望みに賭けて先に進むことに。扉の向こうは下り階段、<捜索>をしながら階下へと降りていきます。
階段を下りると小さな小部屋がありました。そしてその小部屋のドアを開けたらオーガのゾンビが2体押し寄せてきました。
ゾンビは通常のモンスターよりも行動に制限がかかっているので、ちょっとずつ下がりながら遠隔攻撃で仕留めようかとも思いましたが、斬った方が早いという過激派のアイディアを尊重し、そのまま普通に戦うことに。ディザーカが鎧の上からガッスガス殴られましたが、むしろ被害はそれぐらい。丁寧に回復を飛ばし、ダメージを蓄積させて倒しました。
そのまま少し進むと、食堂のような大きな部屋に出ました。入り口でシャドウが待ち構えていたことなんて当然ボクらは知りません。いい感じに痴漢行為を働かれて筋力を奪い取られていく一行。帰れないってのにこの仕打ち…全員が恐ろしいほどのロー・テンションになってしまいました。
しかし、隣りの備品室で、「脱出用」と書かれたワンドを発見! 一筋の光明が射します。そのワンドはどうやらライトのワンドのようで、これを使って例の部屋の謎を解き明かす必要があるようです。
一行は再び5つの像が置かれた部屋に戻り、ライトのワンドを使って様々な方法を試しました。かなりの時間が経過して、レオンが宿泊のために寝床の準備を始めた頃…四隅の像の鏡を発光させて、その光をすべて死神の像に向けることで入り口が重い音を立てて開きました。当然レオンにはお仕置きをしておきました。
こうして、数時間ぶりに外に出た一行。もう日は落ちて夜になっていましたが、星と月の明かり…そして脱出できたという安堵感からか、夜空がずいぶんと明るく感じられました。トーチ・ポートに戻って暖かい食事をたくさん食べて、柔らかいベッドでぐっすりと眠りました。
翌朝、重たい身体を引きずって再び寺院へ。像の部屋を越えて備品室周辺までやってきた一行。まだ行っていない部屋を探索するために扉を開けると、そこにはスケルトンが! …いたんですが、アリシュアが退散判定した瞬間レベル差によって灰塵に帰しました。こいつら、なんのために出てきたのかわかりません。
先に進もうとしたら、今度はアリップというモンスターが! このモンスターは、「繰り言」という特殊能力を有しており、絶えずすすり泣いているのだとか。意思セーヴに失敗したら恍惚状態になってしまうのですが、今回は2体のアリップが現れているので2回行わなければなりません。
結局、2回とも成功したのはイリードのみ。他の3人はなんかうっとりしています。戦闘開始後、イリードがアリシュアを揺さぶって正気に戻しますが、即座に繰り言の意思セーヴを強要され、失敗して再び妄想世界へ…その間にも、ディザーカやレオンが、非実体の接触によって判断力を吸収されていき、見る見るうちにアホになっていきます。戦闘はその後2〜3ラウンド続き、正気に戻ったアリシュアの太陽の領域特典によってアリップ達は消し飛びました。滅却スゲー!
引き返そうかとも思いましたが、今日はまだ一部屋しか探索していないので、そのまま奥に進むことにしました。今思えば、その考えが甘かった…
階段を下りていくと突然豪華な装飾が施された両開きの扉が。警戒しながら開けて中に入ると…室内にあったのは大きな祭壇と同じく大きな棺桶。その棺桶の扉が開き、中から現れたのがミイラでした…
ミイラでした…
思わず2回言ってしまうくらいの強敵です。見ただけで絶望してしまうほどの恐ろしい風貌をしており、難易度16の意思セーヴに失敗してしまうと1d4ラウンドの間麻痺状態になってしまいます。先ほどのアリップ戦で判断力が下がっている者がいるため、意思セーヴ強要は非常に恐ろしいところです。
戦闘開始と同時に意思セーヴ…結果はなんと全員失敗!! ミイラがニヤリと笑ったような気がしました。しかし、1d4を個別に振ったら出目が全員バラバラで、ディザーカ、イリード、レオン、アリシュアの順に毎ラウンド回復者が現れるようになりました。
1ラウンド目、ミイラが先頭のディザーカに突撃! 目眩がするほどのダメージを受けてしまいましたが、距離が開いていて「とどめの一撃」って言われなかっただけ随分とマシでした。即座にディザーカは麻痺から解放され、早抜きで武器を抜いて戦闘体勢へ。
ディザーカが激怒してミイラと激戦を繰り広げているうちに、今度はイリードが行動可能に! ミイラが火に対する脆弱性を持っていることは知っていたんですが、スコーチング・レイの呪文を準備していなかったため、距離を取ってシーキング・レイを投射。ミイラの接触ACは低いので、難なく当ててディザーカを援護します。
続く第3ラウンド、ディザーカのHPがヤバめになってきた頃にレオンが復活。アンデッドに急所攻撃は効かないので、どう動いたらいいのか悩んでいる様子でしたが、道具屋で購入していた足止め袋を投げてみたところ、これがギガヒット!! 反応セーヴに失敗したミイラは地面に接着されるとともに、攻撃ロールと敏捷力が下がって袋叩き状態に!!
こうして、全員麻痺から始まった地獄のミイラ戦は、「足止め袋って強ぇー。」っていうなんとも情けない形で幕を閉じました。
その後は部屋の<捜索>。レオンが棺桶の下にある隠し階段を発見したのですが、また何か強敵がいたらイヤなので、下がった能力値を回復させるために一度引き返すことに。
聖堂でレストレーションとかかけてもらえばいいのに、「金がかかるからイヤだ。」と駄々をこねる2人…アリシュアの前でよくそんなことが言えたもんです。結局、彼らの判断力はアリシュアがレッサー・レストレーションで3日かけて回復しました。
翌日…もう依頼請けてから何日目かもわかりません。一行はついに寺院の最下層へとやってきました。内装はなんとまぁカオティックな感じで、モロ邪教っていうイメージでした。それもそのはず、ここはネルルの信徒が隠れて活動をしていた地下神殿だったのです。
その神殿の最奥にいたのが、もう1体のミイラでした。…ミイラだったんですが…絶望のセーヴにあっさり成功したレオンが投げた足止め袋によって地面に接着され、そのままディザーカとイリードにボコボコにされて呆気なく死んでいきました。我々指一本も触れられていません。
こうして、全ての部屋の探索を終え、寺院内にいる全モンスターを退治した一行…2週間近くかかった依頼も、コレでようやく終了しました。エメネリアさんに報告をし、報酬を受け取って、その足でブレイヴ・クルーズ・インへ。みんなで依頼完遂の祝杯をあげました。
ディザーカ 「よし、報酬を分けようぜ!」
レオン 「ふひひひ…これで足止め袋がたっぷり買えるぜ…」
イリード 「……あんた…何考えてるの?」
レオン 「な、は、え!? い、いや、俺は別に…ただ、アレは次の冒険でも役に立つかもって思ってな!!」
イリード 「本当かしら? あたし達に投げつけてイタズラしようとか考えてるんじゃないでしょうね?」
レオン 「ハ、ハハハハ! 何を言ってるんだよイリード! そんな、お前、1つ50gpもするんだよ!?」
全員 「……………………。」
レオン 「イタズラのために50gpって…アリシュアさんにならまだしもお前になんて……」
アリシュア 「…………。」
レオン 「…な、いや! アリシュアさん! 例えばの話ですよ!?」
イリード 「…へぇ…お前になんて…ねぇ……つまりあたしには50gpの価値もない…と…」
レオン 「ちょ、待ってくれよ! そういう意味じゃねーって! ってかお前、イタズラされたいのかされたくないのかどっちなんだよ!?」
イリード 「…………レオン?」
アリシュア 「…………レオンさん?」
レオン 「わ、ちょ、待って…2人とも、目が…コワイ…」
イリード 「………死ねッ!!」
アリシュア 「天罰ですっ!!」
レオン 「イイイイイイィィィィィィィィィッ!!」
ディザーカ 「はっはっはっ!! お前らってホント仲いいよなぁ!!」
その夜、レオンの断末魔は町中にこだました。